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zoom RSS 『悪童日記』(アゴタ・クリストフ著)

<<   作成日時 : 2014/11/03 22:19   >>

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書店の文庫本コーナーに『悪童日記』の文庫本が平積みになってて「何で?」と思ったが、帯に書かれた「映画化」の文字で納得した。
この小説には国名も人物名もいっさい表記されていないが、第二次世界大戦中のヨーロッパ、それもドイツ軍に占領された国の話なのは読み始めればすぐにわかる。
主人公は双子の少年で、『悪童日記』という秀逸な邦題のとおり、特異な感性を持った彼らが戦時下で体験する出来事を書いた日記(短い作文)となっている。辞書と聖書で読み書きを覚えた彼らの文章は翻訳を通してもユニークだ。時代背景も含め映画『ブリキの太鼓』と似ていると思ったのは私だけではないはずで、ドライで残酷な描写も共通している。

家に帰って映画の公式サイトで予告編を観て驚いた。まるっきり原作のイメージと違う感動作品になってるではないか。ご丁寧にも【文部科学省推薦】だって。実際の映画はわからないが、宣伝の仕方はまったく原作のテイストとは異なっていた。
(あと、ウィキペディアのあらすじがネタバレすぎて絶句)

この小説は、私が初めて今監督の自宅に招かれたとき、彼に強く薦められて知った。
話し込んで夜も更けた頃、というか朝方近くに「これがいいんだよ」笑顔でハードカバーの本作を手にとり紹介してくれたのだ。「なにがいいってね」と一説を暗誦し始めた。
「ぼくらには、きわめて単純なルールがある、作文の内容は真実でなければならない。ぼくらが記述するのは、あるがままの事実、ぼくらが見たこと、ぼくらが聞いたこと、ぼくらが実行したこと、でなければならない」

まだ『千年女優』の制作が始まる前だから、当人が一風変わった作風で知られる時期でもなかったので、主観を交えない描写("好き"だの"親切な"はNG)に惹かれる、という彼の言葉にはピンとこなかった。
それからずいぶん経った頃、"意図が見える絵は書きたくない"というインタビューでの発言を知り、そういうことだったのか、と思ったものだ。

「そういうことか」と書いたものの具体的には上手く説明できないんだけどね。
そのあたりは、世の今 敏ファンの方々の考察に委ねることにしよう。

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